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御剣×冥+矢張(エロ無し) 俺は偶然にも目撃してしまった。 見るつもりなんて、全くもってこれっぽっちもありはしなかった。 だが、ここ最近怪しいとは思ってたんだ。 あの天才検事と呼ばれている2人が、実は付き合ってるんじゃないかって・・・! 「メイ・・・」 「バカ・・こんな所で・・・」 だからって、よりによってオレの仕事場(公園)でいちゃついてんなよっ!! くそ、御剣のヤツ。親友だと思ってたのに。 オレなんかいつも忙しい彼女と、もう3ヶ月も会ってないんだぞ!? 顔良し、頭良し、しかも金持ち(たぶん)な上に彼女まで居るなんて、そんなことが許されてなるものかぁぁ!!!! ちくしょう!かくなる上は・・・ い や が ら せ し て や る 。 迅速なオレはさっそく行動に出た。 敵を知るにはまず正確なデータを集めなければならない。 そして証拠品を入手し、正々堂々とヤツの弱点を突くのだ! くっ、オレってばさすがだぜ・・・。 しばらく後をつけて様子をうかがうと、なんと奴らは御剣のマンションへ入っていった!もちろん二人で! ガッデーーームッ!!!! 御剣のヤツ、オクテな顔してもうそんな仲に持ち込んでいようとは・・・! オレは待った。朝が来るのを。 11月の空の下、風にも負けず雨にも負けず・・・! むっ、出てきたぞ!どうやら今日は彼女の方だけらしい。 ふふふ、敵と直接接触をはかるなどシロウトの考えだからな。寧ろ好都合だ。 オレに尾行されているとも知らず、彼女は自宅に向かう。 たしか、狩魔冥とかいったかな。昼間からムチを振り回す危ない女だ。 なるほど、御剣はそういう趣味があったのか・・・これは使えるぞ!(激しく誤解 そんなワケで、オレはとにかくこの一週間、狩魔冥について徹底的に調べ上げた。 家を出る時間に帰宅時間、寄り道コースなんてもちろんのこと。 郵便受けから電話料金表も抜き取った。ゴミ袋の中だってしっかり漁った。(変態 しかし、こうしてよく見るとあのメイって子、結構かわいいんだよな・・・ポッ 寝起きの声とか(早朝イタ電)風呂上がりの身体とか。(覗き見。ていうか犯罪) 今ならオレは、御剣が彼女に夢中になるのもわかる気がする。 ああっ、なんで彼女は御剣なんかと恋仲(古めかしい言い方)なんだっ!! オレはもう、してはいけない禁断の恋に目覚めてしまったというのに! 親友(自称)の恋人を愛してしまったオレ・・・ドラマみたいだ。 メイが好きだあああああああっっっっっ!!!!!(ヤパーリスパーク よしっ、明日からはメイちゃんに近づいて、オレのイイところをいっぱいアピールしよう! このデーターというデーターを生かしつつ、精一杯優しくするんだ!御剣なんかに負けるもんか!! ああ、なんて健気なオレ。自分でも涙が出るぜっ。クッ・・・。 待っててくれっ、メイちゃーーーーん!!!!! その頃・・・ 「ねえ・・・何か最近、変な視線を感じるの。なんか付けられてるような・・・」 「ム!本当かそれは」 「ええ・・料金表とか盗られてるみたいだし、毎日のようにイタ電が・・」 「何だとっ?そんなところに一人でいるなんて危険だ。しばらくは・・その、私の家に居るといいだろう」 「えっ?でもそんな簡単に・・・大丈夫なの?」 「うム。こちらは問題ない。・・・キミさえよければいつまででも居るといい」 「レイジ・・・」 メイは嬉しそうに微笑むと御剣の首へ腕を絡ませ、御剣はその背をそっと引き寄せる。 そうして二人は、甘い口付けを交した。 あとがき ヤパーリタンのおかげでミツメイの愛が深まるお話ですた。 エロくないので逝ってきます。
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276 :梓と野良猫 ◆y2U52lWDto :2009/10/19(月) 22 36 32.44 ID syMwtKmT0 ザァーーッ! 梓「はぁ……はぁ……」 梓「あ、あそこで雨宿りできそう!」 梓「ふぅ……」 梓「まいったなぁ……突然大雨なんて」 にゃぁ~ 梓「ん?」 279 :梓と野良猫 ◆y2U52lWDto :2009/10/19(月) 22 42 59.68 ID syMwtKmT0 猫「にゃ~にゃ~」 梓「こんな所に猫が……よしよ~し」 猫「にゃ~、ごろごろ」 梓「野良なのに、随分人懐っこいなぁ」 梓「もしかして、私のこと仲間だって思ってたりね~」 梓「君も雨宿りかにゃ~?」 猫「ふにゃ~」 すりすり 梓「わわっ、そうだよって返事してるのかな?な~んてね」 ぽつ……ぽつ…… 梓「あ、雨も大分やんできた」 梓「君もうちに来るかにゃ?」 猫「にゃ~、すりすり」 梓「ふふふっ、じゃあ行こっか!」 281 :梓と野良猫 ◆y2U52lWDto :2009/10/19(月) 22 49 53.58 ID syMwtKmT0 ~梓の家~ 梓「ただいま~」 猫「にゃ~」 梓母「お帰りなさい。雨大丈夫だった?」 梓母「あら、その猫……」 梓「途中で拾ったの。ねえ、飼っちゃ駄目?」 梓母「うーん……猫って意外と飼うの大変なのよ?」 梓「ちゃんと世話もするから!」 梓母「駄目。だれか知り合いに引き取って貰いなさい」 梓「じゃあ、せめてその引き取り先が見つかるまで……」 梓母「しかたないわねぇ」 梓「やったーっ!」 猫「にゃ~ん!」 283 :梓と野良猫 ◆y2U52lWDto :2009/10/19(月) 22 55 31.12 ID syMwtKmT0 梓「良かったね~」 猫「ふにゃ」 梓「あ、名前考えなきゃ、呼び辛いもんね」 梓「う~んと……チェリーってどうかな?」 猫「にゃ~ん!」 梓「あはは、気に入ってくれたかにゃ~」 梓「私もチェリーも、雨でびしょびしょだし、お風呂入らなきゃ」 猫「にゃ?」 284 :梓と野良猫 ◆y2U52lWDto :2009/10/19(月) 23 03 07.64 ID syMwtKmT0 猫「にゃ~!にゃ~!ふーっ!」 梓「こ、こら!暴れないで!」 梓「暴れてたら綺麗にならないでしょ!」 猫「にゃん!」 梓「あっ!こら、逃げちゃ駄目~!」 猫「にゃ~」 285 :梓と野良猫 ◆y2U52lWDto :2009/10/19(月) 23 06 46.50 ID syMwtKmT0 梓「まだ子猫みたいだし、ご飯はミルクでいいのかな?」 梓「ほらチェリー、ご飯だよ~」 猫「にゃ~」 猫「ぺろぺろ……」 梓「あ、よかった。ちゃんと飲んでる」 梓「美味しいかにゃ~?」 猫「にゃん!」 梓「あははは」 286 :梓と野良猫 ◆y2U52lWDto :2009/10/19(月) 23 13 53.94 ID syMwtKmT0 梓「チェリー、そろそろ寝るよ~」 猫「にゃ~」 梓「ほら、一緒に寝ようね」 猫「ふにゃ~」 梓「チェリーって温かいね、気持ちよく眠れそうだよ……」 猫「にゃ~……」 梓「やっぱり、ずっと一緒にいたいよ……」 猫「にゃん……すりすり……」 梓「なぐさめてくれるの?ありがとう……」 梓「おやすみチェリー……」 288 :梓と野良猫 ◆y2U52lWDto :2009/10/19(月) 23 20 06.08 ID syMwtKmT0 梓「お願いお母さん、この子を飼わせて!」 梓「ちゃんと責任を持って、世話するから!」 梓母「はぁ……そこまで言うなら仕方ないわねぇ」 梓母「その代わり、ちゃんとするのよ?」 梓「うん!」 梓「やったねチェリー!」 猫「にゃん!」 fin.
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PLAYER KP/にゃご SK/陸亜 PC1/白矢 鳴(モノ) PC2/テオ・ガルヴァーニ(ユツキ) LOG 導入 ・本編・本編-2・本編-3・本編-4・本編-5・本編-6・本編-7・本編-8 ◆導入――メイちゃん SK(陸亜) その日メイちゃんは、お仕事も無いのでせっかくだからとお部屋の掃除と整理整頓をしていました。 いつ彼女が帰ってきてもいいように、お部屋は清潔にしておかないとね! SK(陸亜) 先日メイちゃんがもらったのは、二次元?彼女からのチョコレートや、お仕事先のいわゆるビジネスチョコ、それに女装が趣味だけどれっきとした男友達や、先月とある事件でお世話をした島根の女の子など、多種多様に渡っていたようですね。 最早コミュ障とか言ってられないコミュニティ持ちです。 SK(陸亜) 色んな人の顔を思い出しつつ手を動かしていたメイちゃんは、ふと一冊の本を目に留めます。 表紙にパステル調のウサギが描かれた、かわいらしい絵本です。 よくよく見覚えがあるのは、これはメイちゃんが件の女の子に買い与えたものだったからですね。 SK(陸亜) メイちゃんと一緒にいる間、メイちゃんやお仕事先の上司、それに頼れるイケメン精神科医の先生など、色んな人から絵本を与えられていたので、忘れていってしまったのかもしれません。 白矢 鳴 ああ、後で送らないとなあとか思いながらなんとなく開いたりしてると思います SK(陸亜) では、休憩も兼ねて椅子に腰かけたのでしょう。 懐かしさをおぼえながらページをめくっていきますが――ふと、メイちゃんは何か不思議な感覚に見舞われます。 SK(陸亜) 誰かに呼ばれているような、誰かを探しているような、どこかに行かなければならないような。 ある種穏やかな強迫観念にも似たそれに、メイちゃんは立ちあがろうと、部屋の床に着けた足に力を入れました。 入れたつもりでした。 SK(陸亜) 何故。思うよりも先に、メイちゃんは引っ張られるような感覚に陥ったでしょう。 あるはずだったところに、あるはずだったものがない。メイちゃんの足は床を捉えることもなく、空気を上から下に思い切り踏み抜いていました。その身体は当然のように、重力に従っていともあっさりと落ちて行きます。 SK(陸亜) 落ちて、 落ちて、 ――落ちて。 SK(陸亜) 頭上を仰げば、そこには――闇の中にぽっかりと空いた穴が。 そこから覗ける、それなりに見慣れた自室の天井が。 急速に遠ざかっていくのを、確認したことでしょう。 白矢 鳴 楓ちゃんに思い馳せてそうだしぼんやり見上げてるんだろうかな SK(陸亜) 間もなくその明かりもなくなり、メイちゃんは真っ暗な空間をひたすらに落ち続けています。 やがて上も下も右も左も分からなくなりつつあり――完全な暗闇であるから無理もありません――まるで宙に浮かんでいるような感覚さえ覚えます。 突然の奇妙な事象に<1/1d4のSANチェック>です。 † 白矢 鳴 SAN(70) (コロコロ…) 1D100 11 [ 計:11 ] 白矢 鳴 じゃあ(なんだこれ……) とかぼんやり続きに思ってるんだろう SK(陸亜) メイちゃん本当不思議な出来事慣れしすぎて最早SAN減らなくてもいいんじゃないかと思わなくもないですが、まあそんな風に落ちてるんだかうかんでるんだかといった具合ですね。 SK(陸亜) やがて、不意に生まれたやわらかな光が、辺りをを包みます。どうやら、電気スタンドの明りのようですね。 そうして見えた光景は――実に奇妙なものでした。 SK(陸亜) 様々な家具――メイちゃんの自室のものもちらほらと見えますが、大半は大きなソファ、カフェテーブルなど見慣れないものばかりです――が見えます。 更にはティーカップやポットといったお茶会の道具、クッキーやキャンディなどのお菓子。 そして大きな姿見が、メイちゃんの周囲で同じように落ちているのが分かります。 SK(陸亜) 【家具】【姿見】【下方】いずれかに対し≪目星≫が行えます。 これは元の姿の状態ですので、メイちゃんなら変更時から目星-20で69%ですね。 白矢 鳴 いずれか……なら姿見に目星しましょう SK(陸亜) 姿見ですね。目星どうぞ。 † 白矢 鳴 目星(69) (コロコロ…) 1D100 66 [ 計:66 ] SK(陸亜) 成功ですね。では、メイちゃんは大きな姿見が下からゆっくりと上がってきて、自分の姿が映っていくのを見るでしょう。 ですが奇妙なことに、それは落ちて行く自分の姿と上下逆さまであることが分かります。 鏡に映るメイちゃんの姿は、鏡と共に上へ上へと上がっていくことでしょう。 白矢 鳴 ええと、姿見が上がっていって、メイちゃん本体は下に落ちるのに鏡の像は一緒に上に上がっていっているのかな SK(陸亜) そういうことですね。ちょっと変だなと思いつつも、SANチェックは発生しません。 他の家具たちもゆるやかに落ちる速度を遅めていき、次第にメイちゃんから離れて上へ、上へと向かっていきます。 当然スタンドの明りもなくなり、メイちゃんは再び暗闇に包まれました。 SK(陸亜) さて、メイちゃん。ここで、1d100を振りましょうか。 † 白矢 鳴 (コロコロ…) 1D100 74 [ 計:74 ] SK(陸亜) はい。では そうして暗闇の中を落ちて行くメイちゃんですが、ふいに風の流れが変わります。どうやら底が近いようですね。 白矢 鳴 んむ、それなら下の方を見るかな SK(陸亜) 下の方を見れば、ぼんやりとではありますが明るくなっているのが分かります。はっきりとした光源ではありませんが、どこかに繋がっていそうですね。メイちゃんの身体は、これだけ長時間落下していたとは思えない、そこそこの速さで落ちて行くでしょう。 SK(陸亜) というわけで、しっかりばっちりかっこよく着地できるかどうか≪幸運≫どうぞ。 † 白矢 鳴 10点ください (コロコロ…) 1D100 39 [ 計:39 ] SK(陸亜) 39点でした。 穴を落ち切ったらしいメイちゃんは、運よくたっぷりと重ねられた葉っぱの上にぽふんと着地したようですね。 周囲は依然として暗いままですが、葉っぱや草、湿った土の匂いから森の中のような感覚を覚えるでしょう。 ◆導入――テオ君 KP(にゃご) その日テオ君は、いつの間にか職場と化した阿久津探偵事務所で、社長である阿久津さんの使い走りとして、資料室で資料を漁っているところでした。 (前日がバレンタインとか今日って土曜日じゃないかとかは関係なく、本日はお仕事です。まあコミュ力高いテオ君のことなので前日は方々の知り合いからたくさんのチョコを頂いたことでしょう。) KP(にゃご) 秘書である雛子ちゃんはとても有能なスーパー秘書なので、資料の管理だってばっちりです。 とはいえ、古い資料や、ピンポイントで情報を探すのはなかなかに難しいものですから、ちょっと時間がかかっていました。 KP(にゃご) 色々と資料を渡り歩いた末に、どうやら古い調査記録が役に立ちそうだということに気付きます。 そこでテオ君は、脚立を使って棚の一番上の段から、分厚い資料を取りだしました。 足元がちょっとあやうい感じですが、そこは頑張れ男の子。 テオ 女性に危うい事は任せられない、プレイボーイイタリア人として!と言う訳でお手伝いはニコニコしつつ頑張りますよ。頼られるのは嬉しいし。 KP(にゃご) うん、素敵なプレイボーイだ。では頑張ってお手伝いしようね。 ふと。テオ君は取り出した資料を持ったと同時、何か不思議な感覚に見舞われます。 KP(にゃご) 誰かに呼ばれているような、誰かを探しているような、どこかに行かなければならないような――ある種穏やかな強迫観念にも似たそれに、テオ君はつい、一歩後ずさりしてしまいました。 ――何もない、からっぽの、空中へと。 KP(にゃご) 当然、テオ君の足は何を捉えることもなく、空気を上から下に思い切り踏み抜きます。 テオ君の身体はぐらり、と傾き、重力に従っていともあっさりと落ちて行きました。 KP(にゃご) 落ちて、 落ちて、 ――落ちて。 KP(にゃご) つい目をつぶっていたテオ君は、いつまで経っても訪れない衝撃に、不思議に思うことでしょう。 目を開けば、そこには――闇の中にぽっかりと空いた穴が。そこから覗ける、それなりに見慣れた資料室の天井が。 急速に遠ざかっていくのを、確認したことでしょう。 KP(にゃご) 視界はあっという間に暗闇に塗り替えられ、テオ君は真っ暗な空間をひたすらに落ち続けます。 やがて上も下も右も左も分からなくなり――完全な暗闇であるから無理もありません――まるで宙に浮かんでいるような感覚さえ覚えます。 突然の不可解な出来事に<1/1d4のSANチェック>です。 †テオ SAN(62) : (コロコロ…) 1D100 20 [ 計:20 ] KP(にゃご) うん、成功だねやったね 幸先良いな テオ 「こ、こんな紐付きバンジーなんて阿久津さん事務所に導入したなんて聞いてないからッー!」と叫びつつも、怪奇慣れかそんなびびらなかったんですかね笑 KP(にゃご) しばらく暗闇を落ち続けていると、やがて、不意に生まれたやわらかな光が、辺りをを包みます。 どうやら、電気スタンドの明りのようですね。 そうして見えた光景は――実に奇妙なものでした。 KP(にゃご) 様々な家具には、資料室にあったであろう物もちらほらと見えますが、大半は大きなソファ、カフェテーブルなど見慣れないものばかりです。 更にはティーカップやポットといったお茶会の道具、クッキーやキャンディなどのお菓子。 そして大きな姿見が、テオ君の周囲で同じように落ちているのが分かります。 KP(にゃご) 【家具】【姿見】【下方】いずれかに対し≪目星≫が行えます。これは元の姿の状態ですので、テオ君なら目星+20で62%ですね。 テオ えーと、下方って床って事になりますか? KP(にゃご) 見てみないと床かどうかはわかりません。落ちてる方向ってことですね。 テオ あ、了解です。じゃあ落ちてる方向の床に目星で。 †テオ 目星(62) : (コロコロ…) 1D100 5 [ 計:5 ] KP(にゃご) wwwwwそこでクリティカルなの???!! テオ まさかのクリティカル KP(にゃご) <底の見えない暗闇を見つめてしまった(探索者)は<0/1d2のSANチェック>となります。> ただし、クリティカルなのでそうだな…任意のテオ君の持ち物をひとつ発見して取得していいこととしましょう。 テオ 落下して衝撃受けたら嫌だなーと思って見たらこの展開かよ!笑 「ひ、ひいいい!!底なし沼ならぬ底なし穴ってどういうことなの!」と涙目になりつつ、取り戻すのはマジカル★スタンガンで。 †テオ SAN(61) : (コロコロ…) 1D100 67 [ 計:67 ] KP(にゃご) では持ち物からスタンガン以外が削除となりますね。そしてSAN失敗か1d2どうぞ †テオ SAN喪失 : (コロコロ…) 1D2 1 [ 計:1 ] KP(にゃご) 家具たちはゆるやかに落ちる速度を遅めていき、次第にテオ君から離れて上へ、上へと向かっていきます。 当然スタンドの明りもなくなり、テオ君は再び暗闇に包まれました。 さて、ここでテオ君。1d100を振っておきましょう。 †テオ 謎 : (コロコロ…) 1D100 75 [ 計:75 ] KP(にゃご) はい。では そうして暗闇の中を落ちて行くテオ君ですが、ふいに風の流れが変わります。どうやら底が近いようですね。 というわけで≪幸運≫どうぞ。 †テオ 幸運(70) : (コロコロ…) 1D100 54 [ 計:54 ] KP(にゃご) 成功ですね、では穴を落ち切ったテオ君は、運よくたっぷりと重ねられた葉っぱの上にぽふんと着地しました。 周囲は依然として暗いままですが、葉っぱや草、湿った土の匂いから森の中のような感覚を覚えるでしょう。 テオ 「うわあああああッ…!!と、あ、あれ…い、痛くない…葉っぱ?」 と周りをきょろきょろ見渡しつつ 「地下に森…? いや、普通じゃ流石にありえないよねこんな事」 【本編-1】
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素直に偵察を行うことにした。 男娼の真似事なんて馬鹿げているにも程がある。 「お前は?」 「ルームサービスです♪」 って引きつった笑顔で私に言えというのか。 第一、ばれたら逃げ場がない。 発砲は最後の手段にしたい。 「待機」 握り拳を振り上げて待機のハンドサインを出す。 メイには隠密の概念が無さそうだし、足手まといになる。 偵察は単独で行うほうが良さそうだ。 午後7時を廻ったばかり。 周囲は暗くなっており、幸いまだカーテンは閉められていない。 ランプで照らされた室内は外から容易に覗けた。 逆に中から外は光量差があって見えにくい。 小さな安宿には店主を含め、7人が居た。全員帯剣している。 入り口から入ってすぐのカウンターに店主が一人と客が二人。 部屋はロビー、店主の部屋、客部屋3つ、一本の廊下で繋がっている。 正面入り口は帯剣した見張りが二人、一番奥の部屋には先ほどの剣士が二人。 残り2部屋は空きである。 安宿の入り口にわざわざ見張りを付けるとは、念が入っている。 こりゃ、中の客も危ない。ご丁寧に同じ姿で全員武装していた。黒と見たほうがいい。 「かくかくしかじか」 「まるまるうまうま」 「と、言うことだ。この先どうなるかはあんた次第だ。OK?」 「OK!」 メイは親指を立てて力強い笑みを浮かべると、走っていった。 もちろん、正面玄関から。 「突撃して行ったぞ、あの馬鹿」 ・・・・・・・ 「ミンチよりひでぇや」 メイに遅れてモーテルへ入ると、既に戦闘は終わっていた。 背中の大剣で惨殺されたバラバラの死体があるのかと思いきや、 ボコボコに整形された半死半生の撲殺死体がたくさん転がっている。 彼女のガントレットからは血が滴っていた。 「こ、拳で…」 「カカシ相手に表道具は用いませぬ」 部屋の奥には禿げた50代の男が椅子に座っていた。 「娘はどこだ?」 「まぁ落ち付け。剣を突き付けられてはビビって話もできやしねぇ。 娘は無事だ大佐、少なくとも今の所はな。メッセージがある」 男は胸ポケットからコンパクトを取り出すと開いた。 「アタシを覚えているかね大佐?」 「リアス!貴様ぁ!」 コンパクトのミラーから軍服を着た女性の映像が浮かび上がった。 年齢は20代後半。メイやカイと同じ銀髪耳長だ。髪は肩まで伸ばし、瞳はコバルトブルー。 襟には星6つの階級章が付いていた。 「誰が忘れるものか、このゲス野郎!内戦でどれだけの人が殺されたか・・・」 「君はエルブの状況を判っておらんのだ。エルブには強力で統制できるリーダーが必要だ」 彼女らの間ではシリアスな会話が成されていた。 ちなみに私はガン無視である。 画面に割り込む別の毛が背中まで伸びている女。 階級章には銀色二本のライン。 「ベネット!死んだはずじゃ?」 「残念だったなぁ、トリックでやんすよ」 こいつは大脱出でもしたのか?密室殺人なのか? 「君にエルブ商会の会長、ガンダルヴを暗殺して欲しい。 メイ君は救国の英雄だ。我々ではガンダルヴの元へ近づけん」 「ベネットも同じ部隊に居ただろう?」 「一方、ベネット大尉は国外追放を受けた身だ」 「ああ、楽しんで人を殺したからな」 「殺しを教えたのはおめぇでやんす」 ゲドにメイにベネット。 なんでどうして、エルブの人間ってのは色物が多いんだろうか。 「幾らでリアスに買われた?」 「100万パール、ポンッと帝国金貨でくれたでやんすよ」 「裏切り者め」 「アタシはメイ君を使ってガンダルブを殺し、クーデターを起こす。 一ヶ月後、アタシは会長だ」 「カイだ!カイを出せ!」 「ふむ。いいだろう。つれて来い」 「いやっ!離して!離せっ!」 画面の向こうに暴れている幼女が居た。 あれは…日本から護衛の後、エルブ側へ引き渡した子供だ。 面会謝絶の裏事情だな。 「君に拒否権はない。我々に」 通信が切れた。メイがコンパクトを殴り飛ばしたからである。 「この先どうなるかはあんた次第だ。無事取り戻したければ・・・俺たちに協力しろ」 「メイ、コレの処理はどうする」 「ああ、忘れておった」 パキィ トリック・メイスが禿げ男に支払ったものは 鉄拳であった。 禿げは脳を揺らされ倒れ付す。 「協力しろと申したか」 メイを嘲笑うことなど不可能であった。
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3DSのフレンドをお求めの方はこちらの文字をクリック→3DS Nintendoソフト「メイドイン俺」のフレンドコードをお求めの方はこちらの文字をクリック→メイ俺
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イナズマイレブンにおける、通貨単位のようなもの。○にNのアイコンで表される。 バトルや試合に勝利すると貰える。フィールド上の宝箱に入っていることも。 秘伝書や装備、アイテム、特訓の費用は全て手持ちのねっけつポイントから支払われる。 そのメカニズムを決して疑問に思ってはいけない。 時折「雷雷軒のラーメンって高価くね?」と疑問の声が挙がるが、その答えとして 「単位が円じゃなくてねっけつポイントなんだよ」説が持ち上がっている。 この説のメリットは 金銭に絡む生々しい問題を避けられる 数百P程度ならバトルや試合ですぐ稼げるので、むしろ安いと解釈できる などがある。 しかし 響木はどうやって生計立ててるんだ Gマートで250Pのラーメン売ってるんですけど といった反論もある。 また、バトルで負けたり逃げたりした時に減る額(勝った時と比べ、かなり少ない)を考えると ものすごい勢いでインフレが起こる勘定になるのだが……。 気にしたら負けである。 【関連】 ゆうじょうポイント
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テプセケメイ ■一人称 メイ 71回 (limited(前)p.25(2回)50 156 166 171(3回)172 173 174(3回)177 261 262 263 264 limited(後)p.26 153 184 185(2回)252 ゴーグルと亀 p.12 14(2回)16(2回)17 20 27(2回)28(2回)正月と亀 p.125 breakdown第2話 p.30 第3話 p.37(3回)38 第4話 p.37(2回)第6話 p.25(2回)第7話 p.29 36 第10話 p.18(2回)19 20 第11話 p.15 第12話 p.29(2回)30(6回)31(2回)33(2回)第20話 p.6 第26話 p.5 29 白(4回)) ■一人称複数 メイ達 3回 (ゴーグルと亀 p.27 breakdown第6話 p.27(2回)) ■二人称 お前 2回 (limited(後)p.226 白) あいつ 1回 (breakdown第26話 p.6) ■二人称複数 お前達 1回 (limited(前)p.174) ■スノーホワイト 怖い魔法少女 1回 (breakdown第26話 p.32) ■リップル ニンジャ 1回 (limited(後)p.160) ■キャプテン・グレース キャプテン・グレース 1回 (limited(後)p.160) ■ウェディン ウェディン 13回 (limited(前)p.176(3回)224 225 226 227 261(2回)264 limited(後)p.210 252 ゴーグルと亀 p.28) ■レイン・ポゥ レイン・ポゥ 2回 (limited(前)p.171 limited(後)p.160) お前 1回 (limited(後)p.226) ■ポスタリィ ポスタリィ 4回 (limited(前)p.171 limited(後)p.160(2回)184) ■トコ トコ 2回 (limited(後)p.160 163) ■マナ お見舞いの女 2回 (ゴーグルと亀 p.27(2回)) ファニートリック 4回 (breakdown第2話 p.23 第3話 p.38 第12話 p.31 32) 家族 1回 (breakdown第12話 p.31) マナ 1回 (breakdown第12話 p.32) ■下克上羽菜 兎 1回 (limited(後)p.160) ■7753 グレース 2回 (ゴーグルと亀 p.28(2回)) ウェディン 5回 (breakdown第1話 p.46 breakdown第2話 p.23 第4話 p.37 第12話 p.31 32) 家族 1回 (breakdown第12話 p.31) 7753 1回 (breakdown第12話 p.32) ■魔王パム 魔王パム 2回 (breakdown第6話 p.25 第11話 p.16) ■ピティ・フレデリカ ピティ・フレデリカ 1回 (正月と亀 p.124) ■プキン プキン 3回 (breakdown第6話 p.23 27 白) ■うるる うるさいの 1回 (breakdown第26話 p.32) ■ミス・マーガリート マーガリート 2回 (breakdown第6話 p.25 30) ■パステルメリー(女神) プキン 1回 (breakdown第26話 p.5) ■ナヴィ・ル ナヴィ 1回 (breakdown第12話 p.33) あいつ 1回 (breakdown第26話 p.6) ■クラリッサ・トゥースエッジ クラリッサ 1回 (breakdown第12話 p.33) ■フランキスカ・フランチェスカ プキン 1回 (breakdown第6話 p.23) ■ラギ・ヅェ・ネント 爺 1回 (breakdown第26話 p.5) テプセケメイはラギのことを爺と呼ぶ。パステルメリーの例と違い、こちらは正しく無礼であるため理由を問い質した。曰く「名前で呼ばなければ間違えることがない」という理由で、ラギには理解し難いものだったが (breakdown第26話 p.5) ■芋粥と言ったもの 灰色の実 (breakdown第6話 p.26) ※錠剤 (breakdown第24話 p.9) お昼ごはん (breakdown第25話 p.5) ※地の文。 ■河童のサンドイッチと言ったもの 灰色の実 (breakdown第6話 p.26) ■「16人の魔法少女たち」の呼称 ▽二人称 お前 1回 (『魔法少女育成計画limited』16人の魔法少女たち) ▽ランプを拾った少年 お前 1回 (『魔法少女育成計画limited』16人の魔法少女たち) ■とらのあなFANBOOK、オフィシャルファンブック レッド・データ・魔法少女 (とらのあなFANBOOK p.23) 空気を使って様々なことが出来る寡黙な伏兵! (オフィシャルファンブック p.57)
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ななついろ☆デンジャラス(後編) ◆h6KpN01cDg ―Side Keroro― 冬月殿が部屋を出ていくのを見送った後、吾輩は大きくため息を漏らした。 音は、ない。時折ノイズが交る首輪探知機を見る。……異状なし。 ふうと一息つき、サツキ殿を見つめる。 ……サツキ殿。 起きる気配はない。……その方がいいのかもしれないでありますが。 ―――メイ殿。 サツキ殿の妹の名前が呼ばれたことは、きっと知らない方がいいでありますよね……。 冬樹殿が死んだことを知った吾輩のような気持を、サツキ殿には……・ でも、隠していていいのでありましょうか?サツキ殿はメイ殿の家族、その安否を知りたがるに違いない……いやいやいや、でもだからと言って死んだ、なんて、ねえ。 ―――言えるわけ、ないでありますよ。 サツキ殿はここまでずっと大変な目に会ってきている。もうこれ以上辛い思いはさせたくないであります。……吾輩がサツキ殿を守らねば。 妹殿が亡くなった今、サツキ殿を守るのは吾輩……。何としても、冬月殿が戻ってくるまでここを守り抜かなければならんであります。 ……それにしても音がしない。……いやあ、誰もいないってことはいいことなんでしょうが……逆に怖いというかなんというか……いや、コワイナンテオモッテナイデスヨ? ……ふう。 「……っ……ば……早く……て……」 む?何やら人の声が聞こえますな。 冬月殿……では絶対にないでありますね。どうやら女の子のようでありますが……ってん?この声には聴き覚えが……。 ……ってゲエー!これ、さっき加持殿を怪我をさせた、あのアスカっていう子では!? 吾輩は反射的にサツキ殿の前に、庇うように立つ。 加持殿は自分の責任などとおっしゃっていましたが……いくらお二人の知り合いとは言え、吾輩を襲ってきた人物である以上、警戒をしない訳にはいかない。 「待って、アスカ。いい、少し頭冷やして私の話を聞いて、ね?」 すると、アスカ殿の声に混ざって見知らぬ女性の声が聞こえてきた。 アスカ殿よりは、いくらか年上に見えるであります。 「……だって!あいつは……」 「いいから。……サツキちゃんって子、眠ってるんだって聞いたでしょ?大きな声を出してはダメ。……そして、……絶対に感情的にならないで。私が話をつけるから、アスカは大人しく話を聞いていてほしいの。……約束できるよね?」 「……っ」 ……いい人でありますなあ。 我輩にもそれくらいは分かった。二人はサツキ殿がここにいると知ってきたという感じだったのだから、おそらく冬月殿に言われてきたのでありましょう。 アスカ殿だけならさすがに吾輩もあまりかかわりたくないのでありますが……あのような落ち着いた方がいるのなら。 ……あ、入ってくる。 がちゃ、とドアが開いて、その女性とアスカ殿が我輩達のところにやってきた。 その知らぬ方は我輩達に穏やかに微笑みかけ、名乗る。 「……はじめまして、冬月さんから聞いてここに来ました。高町なのはって言います。私は殺し合いに乗っていません。少し、お話をしてもいいでしょうか?」 高町殿、でありますか。冬月殿がおっしゃっていたならば、間違いはないでありましょう。 高町殿は、そう言ってすっとサツキ殿に近づき、その頭を優しく撫でる。 「……この子がサツキちゃん?」 「そうであります。こちらがサツキ―――草壁サツキ殿でありますよ」 アスカ殿は吾輩を見るなり鬼のような形相で睨みつけはしましたが、それ以上特に何をするということもなく高町殿の後ろに立っているだけのようでありました。 ……正直、心臓に悪すぎるでありますが。 「吾輩はケロロ軍曹であります。我輩達もこのような殺戮を破壊するべく動いております、いわば高町殿の同士。どうかお力添えを頼みたいであります」 「……もちろん。私にできることなら何でもするよ。……ところで、……ええと」 高町殿はわずかに迷ったように視線をさまよわせる。 何となくではありますが、言いたいことは伝わった。 「吾輩のことはケロロで構わないでありますよ」 「……そう、じゃあ、ケロロ、一つ聞きたいことがあるの」 「何でありますか?」 吾輩は首をかしげる。 「……ケロロは、日向冬樹って子の、知り合いだよね?」 ―――! その名前を聞いた途端、体中を電撃が走り抜けた。 冬樹、殿? この方は、冬樹殿を知っている!? 「ふ、冬樹殿を知っているのでありますか!?」 「……うん。……と言っても、生きている時じゃないんだけど」 高町殿は心から申し訳なさそうに、目を伏せる。 「本当にごめんなさい。……私がもう少し早く向かっていれば、助けられたかもしれないのに」 つまり高町殿は……死んだ冬樹殿を知っている、ということでありますか。 ……湧き上がる怒り。もちろんそれは、高町殿に対してのものではない。 本当に、本当に冬樹殿は、死んでしまったのでありますな……。 「……冬樹殿は、どの位置に……?」 「私が……小学校の中庭に埋めたの。……大した弔いはできなかったけど。……ごめんなさい、ケロロ。……私が、自分のことを優先しなければ、冬樹君は……」 何と、いい人でありましょうか。 高町殿が冬樹殿を殺したわけでもないのに、こんなに吾輩に親身になって謝罪までしてくれる。 高町殿は、何も悪くないのに。 「……そ、そんな……十分でありますよ……それは高町殿のせいなどではないであります」 冬樹殿が死んだのはもちろん辛い。それでも。 「冬樹殿も……高町殿のような心優しいお方に弔ってもらえて、きっと幸せだったでありますよ」 高町殿の優しさが―――痛いくらいうれしい。 「本当に感謝してもし足りないであります。本当に、冬樹殿を……ありがとうございました!」 「……ケロロ……」 高町殿は吾輩の顔をじっと見つめ、そして―――抱きしめた。 「ぐほおっ!?た、高町殿!?なななな何を……」 「……ありがとう。ケロロ。……頑張ろう、一緒に―――」 その肩は、わずかに震えている。 そのことに気づいて、吾輩ははっとする。 もしかしなくても、高町殿も―――吾輩と同じように、知り合いをなくされたのでありましょうか? そう言えば名簿で、高町殿の次に書かれていた名前―――フェイト、なんちゃら―――が放送で呼ばれておりましたが、もしや……? ……だとすれば、高町殿自身も辛い思いをしているのでありましょうに……本当に心優しい方であります。 吾輩も、がんばらねば。 頑張って―――サツキ殿をお守りしなければ。 そ、それにしても、この状況……いくら吾輩とはいえ恥ずかしいでありますよ。 ……ってヒイイイイ!?アスカ殿が睨んでいらっしゃる!? 「……も、もちろんであります!では、吾輩はサツキ殿が起きてきた時のため水を用意してくるであります。高町殿はここでサツキ殿を見ていて欲しいでありますよ」 「え、でも、ケロロ、水なんてくめるの?」 「全く問題ないでありますよ!どどおんとお任せあれ!」 ……いや、本当のところ、この空気が恥ずかしかったからだけなんだけどね。 「とにかく、頼むでありますよ!では!」 吾輩はダッシュで、公民館のキッチンへと入り込む。 ……ふう、緊張下であります。 高町殿のようなご立派な方になら―――サツキ殿を任せても大丈夫でありますな。 吾輩は蛇口まで飛び上がり、隣の戸棚を開く。 ―――そう言えば、加持殿とタママは、どうなったのでありましょうか。 冬月殿もまだ戻ってきていない、無事であらせられればいいのでありますが。 ……いや、吾輩は何が何でも使命を全うするのみ! だから、サツキ殿、今はゆっくり眠るでありますよ。 メイ殿のことは―――まだ―――。 ―Side Asuka― ―――死ねばいいのに。 ああもう、馬鹿みたい。むかつく。何よこれ。 私はこんな話をしたいんじゃないわ。早く加持さんのことを問い詰めてよ。 加持さんは、あの黒い化け物とどこかに連れて行かれたのよ!こいつらの策略にかかって! あの黒いのだけがいなくて、この緑のがこの場にいることが一番の証拠!二手に分かれて、加持さんと副司令を殺すつもりなんだ! あの空間転移装置とかいう変な仕掛けも、こいつらが仕組んだに決まってる!だって宇宙人なんでしょ?それくらい簡単なんじゃないかしら? なのに何!?死んだ日向冬樹なんてどうでもいいのよ! この緑の奴、いかにもなこと言ってるけどこいつだってあの黒いのと同じ化け物じゃない。こうやって油断させたところで、私やなのはも殺すつもりなのよ。 加持さんが心配じゃないの?なのは、あんた一緒に行動してたんじゃないの?ヴィヴィオちゃんとやらは大切だけど後はどうでもいいってか?ふざけんじゃないわよ! しかもさっきの態度、何?何が約束できるね?よ!本当にママみたいなセリフ、馬鹿みたい。 ああもう、やっぱりヴィヴィオが死ねばよかったのに。ヴィヴィオが死んでたら、きっとこんなに冷静な態度取れなかったくせに。見たかったなあ、面白そうで。 今あたしがこいつに攻撃を加えないのは、なのはがうざいからと、あと二つ。 一つは、どれだけ口で言ってもこの正義馬鹿は聞いてくれない、だから絶対的な証拠を手に入れてやるため。こいつらが加持さんや冬月さんを殺そうとしてる、その証拠が出ればいい。 そしてもう一つは、後ろで寝ているこの餓鬼が何なのか探ること。 一見、何もできなそうな女の子に見えるけど……でも、わたしの眼はごまかされない。 さっきタママとかいう化け物が、この子を庇うような態度をとっていたこと、見たんだから。 つまり!こいつは化け物の仲間である可能性が高い。一件普通の人間でも、高町なのはみたいに魔法が使えたりするのかもしれない。 だとしたらこいつも何か知っているはず。起きたら絶対に問いただしてやる。 ……ああもう、本当はこんなことしたくないのに!全部なのはのせいよ!こんなことをしてる間に、加持さんが…………嫌、考えたくない! 大丈夫、大丈夫だ。加持さんはまだ無事だ。私が今から助けに行くんだから。 ……でも、もしあの化け物と戦うことになったら? 口から光線を吐く化け物になんて、いくら加持さんでも勝てるわけない……いや、ダメ!まだ間に合う!だって、私があいつを殺すから! 「……アスカ、分かってくれた?」 なのはが、吐き気のするくらい穏やかな笑顔であたしに声をかけてくる。 サツキに背を向け、まるであたしを諭すような体制で。 「ケロロ達は悪い人じゃない……アスカが勝手に誤解していただけだよ。……怖かったのは分かるけど、それで攻撃なんてしちゃ駄目じゃない」 ああ、うざい!勝手に誤解?違うわ、実際に攻撃してきたもの。 あたしは間違ってないわ。間違っているのはあんたよ。 でも―――ここは素直に頷いておく。 「……確かに、そうかもね」 ああもうムカつく!ムカつく!思ってもいないことを口にするなんていや!もう二度とやりたくないわ! でも、これは加持さんを助けるためだ。我慢しないと。 こいつらの化けの皮をはがすためには―――必要だ。 「……でしょう?それなら、まずはケロロ達に謝ろう。多分、すぐ戻ってくると思うから。いいよね?」 言葉にするのも嫌だった。 それだけでどうやらなのははあたしのことを信じたらしい。そう、よかった、と笑う。 その悪意も何もない笑顔に、本気で殺意が湧いた。 こいつは、私を見下して喜んでるんだ。 私のことを、子供だからって、馬鹿にして、見下して―――嘲笑って、利用するつもりなんだ。 「分かったわよ、分かったから!」 嫌いだ。こいつ、高町なのは―――本当に、大っ嫌い! 「……アスカ、声が大きいよ。サツキちゃんは眠っているんだから―――」 何よ、それ。こんな女どうでもいいじゃない。 こいつはあのカエルの化け物に守られてた、つまり仲間ってこと。こいつが寝ていようと起きようとどうでもいいわ。寧ろ、こいつが起きてくれた方が都合がいいわね。 あいつら化け物が、加持さんや副司令を殺そうとしているってことを聞き出せるかもしれない。 「あと、分かってると思うけど……アスカちゃん」 何よ、うるさいわね、いい加減にしてよ。 「……サツキちゃんが起きても、メイちゃんが死んだってことは、言ったらダメだからね」 ああもう、分かってるわよ。別にこんな奴どうでもいいのよ。 ……そう言えば、ご褒美……居場所が分かるのよね。……ってことは、ここからいなくなった加持さんがどこにいるのかも分かるってこと? ……こいつ、草壁サツキ、だっけ?化け物の情報を聞き出すのにも使えそうだけど―――他にも役に立つかもね。 あたしはそう考える。 そうなるとなのはがうざいけど……まあ、何とかしましょう。 「分かってるわよ。メイのことでしょ」 「それならいいよ。……大丈夫、加持さんももう一人の子も、私が探すの手伝うから、安心して」 その笑顔に、吐き気がした。 何言ってんのよ、馬鹿じゃないの。 あんたはヴィヴィオを探すんでしょ?そんなことできるわけないじゃない! はっ、何、天使かなにかのつもり!?全ての人間を守るつもり? そんなの無理に決まってる! ―――ああ、それを教えてやるためにも、ヴィヴィオが死ねばいいんだけどな。 サツキを、見る。苛立ちが募る。 そう言えばこいつ、加持さんに背負われていたっけか。 じゃあ、こいつは足手まといだ。こんな奴、さっきからいない方がよかったに違いない。 こいつがいなければ、加持さんはあんなことにならなかったんだ。 「…………ん……いや……」 何、悪夢でも見てるの? 悪い夢を見ているのはこっちよ。こんなに化け物に囲まれて!どうしろって言うのよ! 「あ、サツキちゃん、起きた?……うなされてたみたいだね」 ……何だ、起きてたのね。 さて、こいつからどうやって加持さんのことを聞き出すか――― そして、私は次に過ぎ去った数秒間で、確信することとなる。 こいつが紛れもなく―――化け物の仲間だということを。 ―Side Satuki― ―――おねえちゃん。 メイ?その声はメイなの? ―――おねえちゃん、あのね――― 気づけば、メイが私の前に立っていた。 よかった、無事だったのねメイ。心配したんだから。 強い人に守ってもらえた? ―――うん。まっくろくろすけと、だっちゃのねえちゃんにあったよ。 ええ、まっくろくろすけがここに!?それはよかったわね。 だっちゃ……のねえちゃん?その人も優しくしてくれた? ―――うん!ふたりともすっごおくやさしかったよ! そう、良かったね、メイ。お姉ちゃんもね、ちゃんと優しい人に会えたよ。 ―――どんなひと? えっとね、まずははじめに会ったケロロ。外見はカエルだけどね、すごくいい人だよ。メイの言ってたトトロってあんな子かな? 後は……冬月さんと加持さん。二人とも大人で、すごく優しい人。だから大丈夫。 ―――それだけー? あとは………… ―――おねえちゃん、どうしたの? ……タマ、ちゃん。すごく可愛くて、―――優しい子、だよ。 (ああ、私、嘘をついてしまった) (本当は、怖い、のに) (怖い顔で相手に攻撃をする、タマちゃんのこと、怖い、って、思ってるのに) ―――そう、よかったね、おねえちゃん。 ……うん。よかった。大丈夫。メイもその人たちに守ってもらってるんだよね? それなら安心だよ。 メイ、怖い時はちゃんと怖いって言って助けてもらうんだよ? ―――ううん。 え?じゃあ今はどうしているの?どこにいるの? ねえ、メイ。 ―――……あのね、おねえちゃん。 どうしたのよメイ。何か元気ないわよ? メイはいつもどおり明るくしていてくれないと、私が心配になっちゃう。 ―――あのね――― 何、どうしたの、メイ。 そんな泣きそうな顔しないで、お姉ちゃんに言ってごらん? 大丈夫、怖い人もいっぱいいるけど、私はそれでもメイだけは――― ―――ごめんね、おねえちゃん。 ―――わたし、もうしんじゃったんだ。 ……何、言ってるの、メイ。 そんな怖い冗談言わないの。 お姉ちゃんも、お母さんも心配しちゃうじゃない。 ―――ううん。ほんとうだよ。 ―――こわいおじさんに、ころされちゃった。 ―――すっごく、すっごく、いたくて、こわかった。 ……そんな、嘘でしょ、メイ? ふざけるのはいい加減にしなさい。 だって、そんな、そんな、こと。 メイが死ぬ、なんて。メイがいなくなるなんて、そんなの――― ―――シンジナイ、カラ。 ※ ……目が、覚めた 私は、そっと瞳を開ける。 でも、思ったとおりに瞼が開いてくれない。意識はあるのに、動きが意識と一緒になってくれない。 変な、気分だった。 ぼんやりと、私の半開きの瞳に人の姿が映る。 ……普通の人間の、背中。冬月さん?……ううん、違う。女の人だ。 少しどことなくお母さんと雰囲気の似た―――優しそうな女の人。 知らない人。 もう一人は顔は見えないけど、ケロロ以外の誰かが近くにいることは分かった。 ―――いや、だな。 それでも、私は怖いと思った。 今のところ私に背中を向けているってことは、私が目を覚ましたことには気づいていないみたいだけど。 でも―――怖い。 すごく優しそうな人に見える。でも、怖い。 私は眠ったふりを続けた。多分、その方が安全に決まっている。 本当は怖くて怖くて仕方なかったけど、それ以外にどうすればいいのか分からなかった。 「……ね、……から、……た?」 女の人が何か言っている。それにこたえる声がすぐに帰ってきた。 それは、とてもはっきりと。 「分かったわよ、分かったから!」 びく、り。私の肩が震える。 この声、知ってる。あの人だ。 さっき、私たちのところにやってきて、ケロロを殺そうとして―――加持さんを刺した―――あの女の子だ! 寒気が治まらない。 いや、いや、いや、どうして、どうして――― 駄目だ、私が起きていることに気づかれたら、駄目だ。 きっと、私も、ケロロみたいに―――殺される! 「……アスカ、声が大きいよ。サツキちゃんは眠っているんだから―――」 よかった。まだ、気付かれていないみたい。 「あと、分かってると思うけど……アスカちゃん」 大丈夫、大丈夫よ。 まだあの子は私のことを見ていない。大丈夫。 足と手を丸めて、幼い子供のように布団に縮こまる。 だめ、だめ、だめ、気付いては、だめ―――! 「……サツキちゃんが起きても、メイちゃんが死んだってことは、言ったらダメだからね」 ―――え? な、に? この女の人は、なんて、言ったの―――? 「分かってるわよ。メイのことでしょ」 メイ、……メイ、が、何? 何て言ったの?メイ、メイが、どうしたの? メイが、死んだって―――どういうこと? 嘘、よね?聞き間違いよね、だって、そんな。 メイ、が――― 「うん、あ……か……、わ……」 もう、女の人の声が聞こえなかった。 嘘、嘘、嘘。 メイが?メイが?メイが?メイが?メイ、が? いや―――嘘よ、そんなの。 眠っていた時に見た夢、それでメイは言っていた。 私は死んだ、殺された、って。 嘘よ、嘘だ、嘘なのよ、信じない。 メイが、私の妹のメイが、死ぬなんて、そんな、そんなこと……! どうしよう、震えが止まらない。 いや、そんなの、嘘、嘘よ、メイ、メイ――― メイが死んだなんて、そんなこと――― 「あ、サツキちゃん、起きた?……うなされてたみたいだね」 ふと気付くと―――私の顔の前には知らない女の人の顔があった。 にっこりと、お母さんのように、微笑む。 い、や。 ―――ころされたんだ。 ―――こわいおじさんに。 ―――ころされた。 ころされた。ころされた。ころされた殺された殺された殺された殺され殺され殺され殺され――― この人は、私を殺すの? 後ろの女の子は、さっきケロロを殺そうとした。 それで、血が出て、赤く、赤、赤く、なって――― この人も? この人も、私を、殺すの―――? メイ、みたいに? 女の人は、私の頭に手を伸ばして――― 「い……いやあっ!」 その手を、振り払った。 ぱん、と何かが私の前に散らばる。それが何か考えている場合でもない。 殺された。メイが?メイが?メイが、死んだ。 嘘よ、そんなのウソ、うそ、嘘、ウソ、うそよ! 「さ、サツキちゃん、何が―――」 後ずさる。いや、やめて、こないで。 いやだ、死にたくない。メイ、メイ、メイ――― 「落ち着いて、サツキちゃん、私は―――」 ころ、される。 「いや、いや、いやあああああああああああああああああああ!」 その人が差し出した手を振りほどき、私は走った。 その時右手に触れた何かを、反射的に掴んだまま。 ドアを開け、逃げる。一瞬女の人の手が腕に触れたけど、そんなの知らない。 ケロロの声が聞こえた気がしたけど、―――知らない! どうして、走れたのか分からない。全身傷だらけだったのに。歩くだけでも体中が痛かったのに。 多分これが―――かじばのばかぢから、って奴なのかもしれない。 走る。走る。 信じたくなかった。メイが、死んだなんて――― 信じられなかった。誰も。 ころされる、ころされるかもしれない。 にこにこ笑っていても、私もメイみたいに殺されるのかもしれない。 タマちゃん、みたいに―――私のことを、攻撃してくるかもしれない! 「……どうしたんだね、サツキく……」 だから、私は、 知ってる声だったのに。 優しい声だったのに。 温かい、声だったのに。 「……いやあああああああああああああああああっ!」 何を、してしまったんだろう。 ―Side Nanoha― ……私のミスだ。 そうとしか考えられない。 サツキちゃんは完全に眠っている―――そう判断してしまったから。 もし、私があそこでメイちゃんの名前を出さなければ――― もし、私がアスカではなく、サツキちゃんに注意を向けていたなら…… あんなことにはならなかったはずだ。 サツキちゃんが、公民館を飛び出した。 私はそれを追いかけた。 そして、サツキちゃんが飛び出して行った先にはちょうど、民家から戻ってきた冬月さんと小砂ちゃんがいて――― パニックになったサツキちゃんは、冬月さんを『刺した』。 サツキちゃんは、逃げ出す時に、生存本能故だろうか、散らばったケロロのディパックの中からナイフを持ち出していたのだ。 そして、冬月さんに声をかけられ、恐怖に駆られたサツキちゃんは――― 深く、冬月さんの腹部にナイフが突き刺さり―――冬月さんは倒れ伏す。 ……青ざめた。 何をやってるの、私!大人なのに、皆を守らなきゃいけないのに! 私は反射的に我に返り、冬月さんの名前を呼ぶ。 頭は、それでいっぱいだった。 「冬月さん!しっかり!」 冬月さんの元に駆け寄る。 急所は外しているとはいえ、いけない…… ……大丈夫だ、心臓は動いている。問題は―――この傷。 やはり、出血が酷い。早く止血できれば致命傷にはならないと思うが、冬月さんは老年の域に差し掛かった方だ。 私達のような若者より傷の治りは遅い。早く手当てしないと――― 私は手をかざす。冬月さんの傷が徐々に癒えていく。 しかし、なかなか傷はふさがる気配を見せない。 しばらくその作業を続けていると、やがて意識は戻らないが、やがて呼吸は落ち着いてきた。 ……これで少しは安心できる。まだ、万全ではないが。 ……あれ?おかしいな、何か気分が悪い。……どうして? ……そ、そういえばサツキちゃんは!? 「こっ、小砂ちゃん、サツキちゃんは……えっ」 私は小砂ちゃんに声を掛けて後ろを振り返り、言葉を失った。 小砂ちゃんは……既にそこにいなかった。 サツキちゃんも、いない。 ―――私としたことが―――! 目の前で怪我を負った冬月さんに気を取られて、二人の存在を失念していたなんて! さっきまでここにいたのに―――いつ? どこに、行ったの!? 「こ、小砂ちゃん!?アスカ!?……ケロロ!?」 知りうる限りの名前を叫ぶ。しかし―――返事は返ってこない。 ……まただ。 また、見過ごしてしまった。 冬月さんの怪我に集中するあまり、私は二人を――― 「…………っ」 そこに、悲鳴が聞こえた。 ……どこから?西、しかも、すぐ近く?! 嘘、でしょう? 背筋が震える。 もしかして、小砂ちゃんやアスカやサツキちゃんが? この近くに、危険人物が!? 行かないと。早く。 でも―――そしたら冬月さんは? このまま――― まだ意識を取り戻していない冬月さんをここに残していくなんてできるはずがない。 怪我人なのだ、ここに残しておけば、危険人物が来たときに彼に残された道は死以外にない。 くらり、眩暈がした。 どうして? ヴィヴィオ、私は―――。 ……駄目だ。 逃げちゃ、駄目だ―――。 私一人ならともかく、冬月さんを抱えて空を翔ぶことはできない。だけど、彼を 運ぶことはできるはずだ。 未だ意識が戻らない冬月さんを、背負う。 そして、公民館の中でもいい、どこか安全な場所に運ばなければ――― 私でもさすがに、きつい。 でも――― 足を踏み出す。進む。一歩。 魔法も何もない、実に原始的な方法。 でもデバイスのない今は、こうするしかない。 息が上がる。苦しい。でも―――私は救わなければ。 冬月さんを安全な場所まで連れて行ったら、小砂ちゃんとアスカを探そう。そしてケロロとサツキちゃんも保護しないといけない。 そうしなければ、いけない。 そうでないと私は―――胸を張ってヴィヴィオに会えないから。 だから、待ってて、ヴィヴィオ。 すぐに、すぐに行くから―――もう少しだけ、待っていて。 私は少しずつ、しかし確実に―――元いた場所へと進み続けていた。 足が、滑る。駄目だ、さすがに、辛い。 早く、早くしないと――― 「……た、高町君……かね……?」 その声にはっとする。背後からの―――冬月さんの声だった。 「冬月さん!意識が……」 「……まだ朦朧としているがね……君が助けてくれたのだろう?……ありがとう……」 その声は無理をしているように見えた。当然だ。 なのはがある程度の治癒を行わなければ、失血死していたかもしれないくらいなのだから。 「……私のことは、構わない。ここに残してくれ……君は、サツキ君を頼む」 ……でも、今の状態では! 「そんな!冬月さんを残してなんて……」 そんなこと、できるはずがない。 そんなことをしたら、私は皆に合わせる顔がない。 「……私は平気だ。頼む。……何、まだ死ぬ訳にはいかんよ。……サツキ君を、頼む」 冬月さんは、言った。 今度はゆっくりと、何かを言い聞かせるように。 冬月さんの顔は、見えなかった。 そんなこと、できない―――はずなのに。 しかし、私にはピリピリするくらい感じとれた。 この人は―――ある意味ではとてつもない軍人だ。 自分やケロロのようなタイプの軍人ではないのだろう。しかし、冬月さんのしっかりした言葉は、まさに上に立つもののそれだった。 彼は、自分の状況も理解しているはずだ。自らが、怪我を移動も困難なほどの怪我を負っているということを。 それで尚このような発言をするというのは―――彼の、『覚悟』なのだろう。 「マッハキャリバーは君に返す―――任せたよ」 「……」 だから―――私は。 冬月さんの言葉を尊重しない訳には―――いかなかった。 私に、彼の意思を、止める権利はどこにもないのだ。 同じ、一人の大人として。殺し合いを止めるための同士として。 「……はい」 彼は大人だ。ヴィヴィオに会いたいがためにいつまでも迷い、ためらい、ミスをした私よりずっと。 冬月さんを、背中から降ろした。 顔色は酷く悪い。普通なら―――一人で残しておける状態ではない。 不安がよぎる。しかし―――これが彼の意思なのだ。 それを踏みにじってまで助けることは、私にはできない。 マッハキャリバーを冬月さんのディパックから取り出し、抱き締める。 絶対に―――守る。 「……サツキ君に伝えて欲しい。……私は、君のことを許す、と」その言葉。 きっと、サツキちゃんが聞いたら、喜ぶだろう。 絶対に伝えて見せる。 「……はい。必ず」 そして私は、飛行。一気に斜面を上り、急ぐ。 待ってて、サツキちゃん。そして、小砂ちゃん、アスカ。 私が絶対に―――助けてあげるから。 だから――― ―Side Zuma― 休息は、これくらいで十分だろうか。 放送を、俺は黙って聞き、それから一時間ほどをこの民家で過ごした。 外では時々女の声が聞こえたが、今はまだ殺すべき時ではない―――そう思い、忍び続けた。おかげで、あの男にやられた傷は、また殺せる程度には回復した。 まだ万全とは言い難いが、行動は可能だろう。 また、死者は五人か。……あの男に同意するつもりはないが、確かに少ないな。 もっと死んでいてもおかしくないと思ったのだが。 まあよい。俺は何人死んでいようといなかろうと、ただ殺すだけだ。 しかし、あの男―――気になることを言っていたな。 三人殺した奴には、褒美として参加者の位置を教える―――だと? ……ふん、初めから皆殺しにするつもりだったとは言え、悪くない条件だ。あの男が本当に呑んでくれるのなら、だが。 しかし、放送で嘘を吐く理由はないようにも思う。 その褒美とやらがあれば、リナ・インバースの位置が簡単に特定できる。あの男がどこへ行っていたとしても、すぐに把握できる。……便利ではあるな。 しかし、そのためにはあと二人殺す必要がある。 ……ホテルの傍であったあの子供、やはり惜しいことをした。あの女の邪魔が入らなければ、俺は褒美まで近付いていただろう。 今度会った時は、必ず殺す。―――殺せなくても、殺す。 それが暗殺者たる、俺の仕事なのだから。 ―――…………! 聞こえてきた声に、耳を澄ませる。 ……女の声。それも、子供の声だ。 言葉までは聞こえないが、この近くにいることは確定だ。 先ほどこの近くを通った女だろうか? どうやら、このあたりで何か起こっているらしい。戦闘か?結構なことだ。 アプトムに復讐を果たす、無論忘れてはいない。しかし、目の前に誰かがいるのなら、殺す。 これが俺への依頼である以上、殺さないという選択肢はない。 今依頼料が手元にないことが屈辱的だが。 あの女の様子では、俺には気づいていないらしい。……そうだ、俺は暗殺者なのだからな。 ただ、俺は、殺すだけだ―――それに、偽りなどはない。 俺は、殺すために、疲労がだいぶ回復した身体を動かし、声がした方へと進んで行った。 ―Side Fuyutuki― ……どうした、ものか。 私は、未だにはっきりしない意識の中思考した。 銃声がわずかに聞こえた。高町君や小砂君が殺し合いに乗ったものと交戦している可能性もある。 もしそうだとしたら、それは私の責任だ。 サツキ君は、まだ幼く、心優しいがか弱い存在だった。 それが悪いことだとは思わないし、迷惑などとも思っていない。 しかし、彼女自身はどうだろうか? 何もできない己に、自らや仲間が傷つくという現実に絶望し、精神を病んでいたのかもしれない。 何が原因でああなったのかは私にはまだ分からない。が、おそらくサツキ君は―――そもそも限界だったのだ。 この場に連れて来られ―――妹を亡くした、という時点で。 だから、これは私の責任でもある。 年長者たる私が、サツキ君の意思を汲んでやれなかった。 高町君にサツキ君を頼んだりせず、小砂君とも同行しなければ……いや、今そんなことを嘆いてもどうにもなるまい。 今私ができることは――― 視界の先が白く靄がかかる。どうやら、思ったほど傷の具合は芳しくないようだ。 あいにく薬のようなものは手元にない。……どうすべきか? 殺されることにさほど恐怖はない。どうせ私は天国にはいけるまい、未練もあるにはあるが何が何でもやり遂げたい、ということでもない。 ―――しかし、ここで何もせず死ぬつもりはない。 私は、手で周囲を探る。やがて右手が何かに触れた。 ……どうやら肌身離さず持ち歩いていたことが幸いしたらしい。 そこには私のディパックがあった。 ケロロ君から借りたナイフ、スタンガン、催涙スプレー、いくつか有用な武器はある。 が、今私に必要なのは――― 動く。そして、彼らを導き、思考し、指揮する。 それが、戦闘能力のない私にできる唯一のことだ。 そのためには、動かねば。 この身が使える限りは―――私はこの場から脱出するため、利用し続けなければ。 私の手が、目当てのものを探り当てた。眩暈がするのを振り払い、引き上げる。 それは――― 「……やや、不安もあるのだが……ね」 夢成長促進銃。 撃たれた者が若返るという、ケロロ君の知り合いの発明品。 そんな時の流れに逆行したことが本当に可能なのか……今はそれは後だ。 そもそも、本当に若返ることができたとして、例えばシンジ君やアスカ君ほどの年齢になるのか、加持君くらいの年齢になるのか―――それもよく理解できていない。 しかし、今私が力を得るためには、これが一番最善かつ最速の方法なのだ。迷っている時間はない。 私は震える手で、頭に向け―――その引き金を引いた。 そして何かが私に触れる感覚と共に、私は意識を手放した。 【B-6/公民館側/一日目・昼過ぎ】 【冬月コウゾウ@新世紀エヴァンゲリオン】 【状態】疲労(大)、ダメージ(中)、腹部に刺し傷(傷は一応塞がっている)、気絶中 【持ち物】ソンナ・バナナ一房(残り一本)@モンスターファーム?円盤石の秘密?、スタンガン&催涙スプレー@現実 ジェロニモのナイフ×2@キン肉マン、夢成長促進銃@ケロロ軍曹(1回使用済み)、ディパック、基本セット(名簿破棄) 【思考】 0.ゲームを止め、草壁達を打ち倒す 1.小砂達と共に、高校へ向かう? 2.シンジ、夏子、ドロロを探し、導く 3.タママとケロロを信頼 4.首輪を解除する方法を模索する 5.アスカの事情はわからないが、何とか保護したい ※現状況を補完後の世界だと考えていましたが、小砂やタママのこともあり矛盾を感じています ※「深町晶」「ズーマ」が危険人物だと認識しました。 ※マッハキャリバーから、タママと加持の顛末についてある程度聞きました。 ※夢成長促進銃を使用しました。 時系列順で読む Back Dies irae / まいご Next 残酷な『彼女』のテーゼ 投下順で読む Back Dies irae / まいご Next 残酷な『彼女』のテーゼ 愛と狂気の迷い道 惣流・アスカ・ラングレー 残酷な『彼女』のテーゼ 小泉太湖(小砂) 高町なのは 新たなる戦いの予感 ラドック=ランザード(ズーマ) 晴れてハレルヤ ケロロ軍曹 草壁サツキ 冬月コウゾウ Another Age
https://w.atwiki.jp/twinkletimeprecure/pages/257.html
「未来学校へいらっしゃい!開かずの間と秘密の思い出っ!!」 未来世界に招待されたあゆむ達はメイとミラの日常を見学する 新しい登場人物 秘密の精霊ミーツ メイの後輩 飛野きさら 未来世界へ招かれたあゆむたちはメイとミラが通う学校を見学することに 特別に授業に参加させてもらったり、メイとミラの案内で校内を見て回るあゆむ達 するとメイが寮にあるという開かずの間の話を語りだす あゆむ達が怖がっていると、突然背後から元気な声が 声の主はメイの後輩である飛野きさらという女の子だった きさらはミラ達の寮に一緒に住んでいて、メイを慕っており 将来はプリキュアになるべく放課後遅くまで残って特訓をしているらしい そして学校も終わり、メイとミラの部屋に集まり話すあゆむ達 話題はメイとミラの話になり、二人が出会った時のことを聞きたがるあゆむ 馴れ初めを話していくミラ、するとメイがある不思議な出来事を思い出す メイによると二人が小さい頃よく遊んでいた場所があり、そこでよく一緒に絵を描いたりして遊んだ友達がいたのだが それが誰だったのか、そしてそこがどこだったのかが分からないと言うのだ 昼間の開かずの間の話もあり、少し怖くなってくるあゆむ ふと、ミラが時計に目をやり、きさらの帰りが遅いことに気づく 心配だから探しに行ってみようと部屋から出ると開かないはずの開かずの間の鍵が外れているのを発見 もしかしてきさらはこの中に…? きさらを救うため、メイ達は開かずの間に飛び込む 続いてあゆむ達も飛び込むがなぜか不思議な力ではじき返されてしまう 扉の中に入ったメイとミラ。中は空間がねじれていて、路地や山の中など様々な場所が現れる すっかり迷ってしまったメイとミラ すると木の陰から女の子が顔を覗かせ、まるで案内するように森の奥へ消えていく あの子どこかで見た事あるような…と後を追うメイとミラ。しかしすぐに姿を見失ってしまう 「あの木見覚えがある!」とメイ。その木には穴が開いていてその中へ入っていく2人 すると突然、一面の花畑が2人の目の前に広がる 花畑の中央にある木の根元にきさらの姿を見つけ駆け寄る2人 すると木の陰から先程の少女が姿を現す。「あなたはいったい…?」とミラ その少女の正体は子供の頃にしかたどり着けない不思議な場所を司る精霊、ミーツだった そして2人が小さい頃、不思議な場所で一緒に遊んでいた相手こそこのミーツだったのだ ミーツは小さい頃遊んだ二人の事が忘れられず、寮の空き部屋に住み着き見守っていたが メイ達をここに呼びたくて、きさらを連れて来てしまったのだと言う 泣きじゃくるミーツを優しく抱き締めるミラ ゆっくりと何かを噛み締めたような口調で、ミーツを優しく諭していく 反省したミーツは、子供達の遊び相手になるという本来の役割に戻ると言う 光とともに消えていくミーツ 「メイちゃん、ミラちゃん、ありがとう…」 ミーツのお礼の言葉と共に目を覚ますメイとミラ。隣にはきさらもいる そこにはもう花畑の世界はなく、3人は空き部屋の中心にたたずんでいた 「メイちゃん、これ…!」ミラの手には一枚の絵が 「これ…昔あの子と一緒に描いた絵だ」 ミーツからのおくりものに微笑む2人 すると突然あゆむ達が部屋になだれ込んでくる。どうやら体当たりで扉を開けようとしていたらしい あゆむ達に事の顛末を話すミラ。それを聞いたはるかはほこりっぽい窓を開け 「うちの孤児院なら子供がいっぱいいるわよー!」と空に向かって叫ぶ するとそれに答えるように花びらがひらひらと振ってくるのだった